蒲焼きと檸檬と娘のサロン

「頑張らないうつヌケ」をモットーに。だる~く、ゆる~く、時にはタイトにチートに。

人生いろいろ、おのこもいろいろ。(仮)⑧

【※本シリーズは私の過去の経験、社会人になり上京、挫折。故郷での就職、うつ病の罹患、うつ病の誤った治療により後遺症を負った経験などなど、過去のネガティブな記憶を赤裸々に掘り起こし、現在メンタル疾患に苦しむ方々に対し、何らかの力になれることを抽出しようとする試みです。過激な、陰鬱な表現を含む場合もあり、出来る限り当時の体験や記憶を生々しく再現もいたします。よろしくお含み置きくださいますようお願いいたします。】

 

「~泣き虫先生の七年戦争~」

 

・・・って。懐かしいにもホドがあるなやオイ。

 

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ドキュメント風に綴りますので、出来る限り当時の記憶はネガティブなものもありのままネガティブに語ります。

 

語り部のじじいだなもはや。

 

さてさて、おっぱじめますかね、ふぉふぉ。

 

 

shirosuke0214-pr-tomo.hatenablog.com

 

銀行へは隣の支店に配属された早稲田出のK君と毎日通勤していた。

 

南浦和から武蔵野線で越谷へ。そこから東武伊勢崎線へ乗り継ぎ。

 

我が麗しの草加支店が見えてくる。

 

「ああ、働きたくねえ・・・。」

 

自発的に働きたい、仕事をしたいと思ったことなど一度たりとてなかった。

 

当時は個を滅殺された、さる通過儀礼を経た豚がナンバリングのついた檻を出て、さらに個を剥奪しゆでガエルにする運命共同体とやらの中で、営々とただただ奴隷のように労働を提供し、またナンバリングされた檻に戻ってようやく自分の潤いのある憩いと生活を取り戻す。

 

そんなような退廃的なくすんだ世界観を抱き、儚い人生の中の儚い個としての自分と他者を見比べ、誰々には収入で勝っただの、学歴で勝っただのあいつには絶対勝てないだの。

 

分別や比較、判断が己の価値基準の全てであった。

 

この物差しを後生大事に抱えていると生きるのが辛くなる。

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銀行に勤めたくせに、お金の大切さやありがたさについても思いを馳せたことなどない。人を幸せにもするが不幸にもする諸刃の刃だ。

 

それに親父はお金に苦労し、お金を稼ぐのはこんなにも大変だと言うことを今教えてやるからな、と言うフレーズが口癖であった。

 

どっちかと言うと物事のネガティブな、影の側面を見がちなこの年代特有の価値観は土台からして不安定で脆い。

 

たやすく人の上手い話に乗ってしまったり、利用されてしまったりもする危うさを常に孕んでいた。

 

とは言え、朝は早いものの夜はしばらくは定時で上がるのが常で、夜は寮に戻って同期と騒いだ後部屋でゲームをして寝るのが日課で、仕事はもう早く上がることだけ考えていればよかった。

 

ちなみに、仕事の覚えは悪いし仕事も遅かった。

 

何度も同じことを聞いてはこれ言ったよね!?と女子行員に怒られていた。

 

仕事は嫌いで出来ないし、なんで怒られているかも分からない。

 

早く帰ることだけ、帰った後のことと休日だけが楽しみ。惰性で生きる日々。

 

学生気分が抜けたのはいつのことだったか。

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そんな日常を送っていたある日のこと。融資係の主任と昼食で一緒になった。

 

にやにやしながら近づいてくる。配属初日のことを思い出して無意識的に身構える。

 

「噂はかねがね聞いてるで。仕事、全然できないんだってな。オレ、10月には君の上司にならないかんのや。ほんまかんべんしてほしいで。」

 

辛辣な言葉を浴びせてきた。

 

しかし。

 

私は当時はある意味無敵だ。仕事が出来なくて迷惑をかけていると言う自覚すらない。

 

彼に敵意しか持てない。ケンカ売ってるのかこいつ?

 

さらに彼は続ける。

 

「お前、ここ何しに来とんのや?給料泥棒って言葉、聞いたことあるか?いつまでも使えん奴を飼ってやる義理は会社にはないんやで?」

 

何度も何度も侮蔑的な言葉を浴びせてくる。

 

周りで食事をしている人たちは複雑な表情を浮かべているようにも見えた。でも、融資係の人たちだけはくすくす笑っている。

 

「お前、ああ、とかうう、とかしか言えんのか?」

 

一人はたまらず吹き出したようだ。

 

なぜ侮辱されているのかもわからない。

 

脳裏でこだますのは、ついこの前まで学生だったからしょうがないだろ、ってフレーズばかり。どこをどう探っても自分を正当化する文句しかない。

 

一人が制止する。渉外係の主任だった。

 

「まあまあS君、そのくらいにしといてやれよ。」

 

顔が上気する。頭に血が上っていた。

 

下を向いてうつむく。

 

「いや、彼も悪気があった訳じゃないんだ。まあ、気~悪くせんといてな?」

 

渉外の主任はそう言って立ち去って行った。

 

白昼堂々、みんながいる前で悪意を向けられるのは人生振り返ってもそうそう経験があるものではない。ある意味洗礼を受けたわけだ。

 

そこで気づけばよかったのだが・・・。

 

Sさんに浴びせられた言葉だけを反芻し、また同じことを繰り返す。

 

メモを取れ、と言われるからメモをするけど、後から読み返すと何が書いてあるか分からない。

 

支店NO.3、内勤の課長も最初は温和な人だったのだが、だんだん風当たりがきつくなってきていた。

 

ある意味、重い腰を上げたのだろう。それとも支店長あたりから引き締めをきつくしろ、と言われたものか。

 

何度かロビーに出て、ただひたすらお客様に「いらっしゃいませ」・「ありがとうございます」と言う挨拶を魂の入っていない人形のように繰り返す。いつしかそんな役をあてがわれた。

 

何日かが過ぎた。

 

融資係に私の前の代に配属になっていた二年目のSさんとHさんが私の指導係だった。

 

とは言え、向こうは融資の仕事がメインだから、私の面倒など見ている暇もエネルギーもない。

 

その中で時間を捻出して外のATMに現金を補充しに行ったり保守点検をしに行ったりする。

 

Sさんは機転が利き、要領や世渡りがうまいタイプ。上司のウケもよかった雰囲気だ。

 

私には厳しかったが、色々とこう言う場面ではこう振る舞うといいよ、とか面倒見が良かったのは彼である。

 

一方。

 

Hさんは優秀だが、都銀の中では中位であった当銀行に入行したのを恥だと言っていた。

 

大学の同期はもっと有名な企業に就職した人が多かったらしい。

 

そのことをずいぶん気にしており、やはり融資の主任と折り合いが悪かった。ことあるごとに反発していたのを覚えている。

 

性根が優しく、気が合った。落ちこぼれで何のとりえもない自分に自分の境遇を重ねていたのかもしれない。彼とその後、よく呑みにいくようになる。

 

呑みに行っても、上司の融資の主任であるSさんの悪口は出たことはほぼなかった。勿論、同じ支店の中で同じ釜の飯を食ってる人間を前にしているのだからうかつなことは言えない、と言う思惑はあったのだろう。

 

だが、当時の私にしてみれば悪魔のような存在で、悪意の塊にしか見えなかったSさんの話になるとまあ、あの人は癖はあるけど付き合ってみると結構いいとこあるよ、と言う話をする。

 

だが、当時の私の心にはなかなか届かなかったのだ。

 

三か月ほどが過ぎる。

 

内勤の当座預金の席に座っていたのだが、なんとなく預金の知識、ノウハウは頭に入ったよね?と言う前提のもとで動く。ちっとも仕事は身についていないのに。総合職とはそう言うものらしい。

 

時々女子行員たちと一緒に、内勤の規定集に載っている業務知識のテストを受けさせられた。

 

職業意識は地に堕ちており、熱意もなければ努力もしない私には難問ぞろいであった。

 

見かねて、彼女たちの何人かがカンニングさせてくれる。

 

それでもひどい点数だった。

 

そのくせ、銀行協会主催の財務諸表や財務分析、法律などの検定試験では優秀な点数を取る。

 

それしか自分の存在意義をアピールできるものはないと思い込んでいたからだ。

 

大学出のくそみたいなプライド。周りはしらけていたと思う。

 

波乱の幕開けだが、こんな感じで日常は続いていく。/おしまい。

 

>ちゃんこ様(id:  chanko_bamboo   

 

コメント、ありがとうございます!

 

あそびあそばせ」のギャグのキレ、いいですねえ。何も考えずに観られるのがこの作品の真骨頂なんですねたぶん。気が付くと時間が過ぎています。

 

>Green様( id: shiho196123

 

 コメント、ありがとうございます!

 

受験戦争は本当に辛いですよね・・・。親御さんが教育熱心なのはポジネガ両面ありますよね・・・。

 

>切株おやじ様(id: masuhiro6595    

 

  コメント、ありがとうございます!

 

アニメーターさん薄給なのに・・・。今は市場も細ってるし何とかしてあげて!と思います。

 

> タコスカ様(id:kefugahi   

 

コメント、ありがとうございます!

 

最初にやるべきことをやって~、とか思ってると時間に加えて気力すらなくなってたり・・・。合間合間に挟むのもこれまた一苦労・・・う~むむ。

 

アメリッシュ様(id: funyada

 

 コメント、ありがとうございます!

 

もろもろ諸活動そのものと一日24時間と言うリソース・・・。人生長いようで短いし短いようで長いです。 

 

 

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うつ病闘病記(仮称)■
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