蒲焼きと檸檬と娘のサロン

「頑張らないうつヌケ」をモットーに。だる~く、ゆる~く、時にはタイトにチートに。

人生いろいろ、おのこもいろいろ。(仮)⑦

【※本シリーズは私の過去の経験、社会人になり上京、挫折。故郷での就職、うつ病の罹患、うつ病の誤った治療により後遺症を負った経験などなど、過去のネガティブな記憶を赤裸々に掘り起こし、現在メンタル疾患に苦しむ方々に対し、何らかの力になれることを抽出しようとする試みです。過激な、陰鬱な表現を含む場合もございます。お含み置きくださいますようお願いいたします。】

 

どうも。

 

過去記事の前置きが上段のようにかなりオオゲサなものになってしまった。

 

ともあれ、怒涛の(?)社会人編の幕開けである。

 

 

shirosuke0214-pr-tomo.hatenablog.com

 

社会人になる私を見送り、父母が新幹線のホームまで見送りに来てくれた。

 

新幹線がホームを離れる。

 

あんなに自分の中ではいい意味でも悪い意味でも存在感の大きかった父。そして優しい母。なんとなく郷愁のようなものを引きずり少しアンニュイになる。

 

銀行に入って何かをやりたいと言う高邁な志などなかった。仕方がないから社会人になった。

 

親が言うから、世間がそう要請するから。

 

そうでなければ、適当に遊び適当に楽をして、のんべんだらりと過ごした方がいいに決まっている。

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漠然とだが銀行は、預金と融資、そして渉外(営業みたいなものです)とざっくり部署が分かれ、ジョブローテーションをしながら融資か渉外にメインに従事する旨伝えられてはいた。

 

しかし、その断片情報だけでそのディテールをイメージすることは難しい。

 

なんとかなるだろう、と言うのは根拠のない自信と言えば聞こえはいいが、要するに単なる世間知らずであった。

 

私は埼玉の支店に配属になる。

 

最初は地元の仙台支店に配属になるものとばかり思っていた。ホームシックになっても実家にすぐに戻れる。

 

さすがに実家から通うことは叶わないだろうけど・・・。そんな肩透かし感。今思えば至極当たり前のことだったのだが。

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その支店はその営業圏内のメイン店舗で大きい支店らしかった。

 

最初は研修を受けることになる。だからまずは独身寮に入り、部屋に引っ越しの荷物を棚に配置して、支店に少しだけ顔を出し東京の小金井にある研修所に一週間くらい缶詰めになる。

 

そもそもスーツなど着慣れていない。スーツに着られている感覚。

 

こんなもの着て満員電車に揺られ、朝も早よからやりたくもない仕事に従事し滅私奉公する。その神経が分からなかった。

 

すごく失礼なことを書いているがその当時は本当にそんな考え仕事観、価値観であった。

 

学生気分が抜けないどころの騒ぎではなかった。

 

支店に行く。この時は緊張する。人と会うのは苦手だし出来る限り避けたい。

 

だが最初が肝心。そうどこかで言い含められてもいた。

 

深呼吸を一つし、インターフォンに呼びかける。裏門の鍵が開いた。

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最初は二階、融資係と渉外係があるフロアの一角に通された。どうも私はがちがちし、口角の左右どっちかが上がっていたらしい。

 

くすくす笑いながらこっちを見ている女性行員の顔も見える。

 

「なに笑ってやがんだ・・・。」

 

不快であった。

 

やがて、融資係の主任の行員ともう一人、若い行員がこちらへ向かって来る。彼らも何やらにやにやしていた。

 

「何がちがちになっとんねん。もっとリラックスしたらええんや。」

 

融資係の主任は関西圏の人らしい。大阪あたりのイントネーションが特徴的な関西弁で喋りかけてくる。

 

なんとなくこちらを値踏みしているような嫌な表情であった。

 

自己紹介をする。いちいちこちらが口を開くたびに破顔する。嫌な気分になった。

 

「ああ、このS君が君の指導係になるで。ちょっとウチは特殊でな、大きい店だから最初は預金とか内勤をローテーションするけど、10月くらいから融資係や。でもな、一か月交代でこのS君ともう一人H君、そして君とでATMの保守を交代でやってもらう。だから融資係は2か月、あるいは3か月のうち1か月、ATM保守と隔月入れ替わりや。」

 

そう言った。

 

「何か質問は?」

 

「いえ、特に・・・。」

 

「お前なあ。こう言う時は質問の一つもするもんやで。そう教わらなかったんか?」

 

なんとなく嫌な感じが伝わってくる。少なくとも歓迎している感じではない。

 

「あとでな、支店長と副支店長にも会ってもらう。質問くらい考えとけ。頼むでホンマ。恥ずかしい。」

 

その後、私の指導係のSさんの紹介をする。

 

最初は預金とか出納、為替などの仕事を順繰りに覚えていく正規のジョブローテーションの流れに、ATM保守が随時加わってくると言う。

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そしてうちのATMは古いものも多く、台数も多いのでよく止まるのだと。彼はそうこの支店の概要を大雑把に教えてくれた。

 

「まあ、後はそこに座っときや。固くなるなて。」

 

彼はそう言い残すと自分の席に戻っていった。

 

なんとなく借りてきた猫みたいにそのブースに座ったまま、身じろぎ一つしないでいると。

 

支店長室に呼ばれた。

 

「失礼します。」

 

就活の時さんざん練習した入室。まったくくだらない。

 

支店長と副支店長が二人。地域の統括店だけあり副支店長が二人もいる。

 

「はい、座ってね~。」

 

一人の副支店長は割と気さくな印象だった。だが、もう一人の副支店長は何やらこちらをちらちらと怪訝そうな表情で見ている。

 

支店長は。なんとなく威厳のある感じだ。

 

着席する。融資係の主任に説明は受けたか、と聞かれ、ありのまま答えた。勿論嫌な印象を受けたなどとは言わなかったが。

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支店長室で聞かれたことは今後の抱負とか、大学時代取り組んだこととか成績のこととかであった。

 

そんなの就活のときさんざんやったろうに。紋切りの就活の延長をそのまま話す。

 

やる気は?気合は入ってるか?なんかそんなことまで聞かれた気がする。

 

要は、毎日帰りが遅くなるし、朝は早いしでいきなり生活は今までとは一変するよ、と言うことを懇々と説かれたわけだ。

 

「ああ、いつから研修だったかな。」

 

支店長が聞いてくる。

 

「はい、明日から研修所へ出向きます。」

 

「ああ、研修は各地の新入行員と親睦を深めてくるといい。同期と言うのは大切だからね。距離は離れていても苦楽をともにする感覚だな。」

 

「ありがとうございます。」

 

副支店長の一人が言う。

 

「ああ、研修の最後に修了試験とTOEICがあるはずだから。君はうちの支店の新入行員としていくんだ。恥ずかしい成績を取らないようにね。」

 

なんとなくプレッシャーをかけてくる。

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最後は支店長室を出て、支店の中をぐるりと案内され、解散することになった。

 

店を出るとき、なんとなく融資係の主任の表情を思い浮かべていた。

 

明らかにこちらにいい印象を持っている風ではなかった。何か落ち度があっただろうか。

 

よく分からないまま独身寮へ戻る。

 

ちらほら同期の姿が見える。もう部屋義に着替えていた。

 

「よう!」

 

一人が声をかけてきた。

 

「なんかめんどくさかったな。ぐだぐだ就活の面接の延長みたいなことを聞かれてよ。お前のとこもそうか?」

 

「まあなあ。まあメシ食いながら話そうぜ。」

 

彼らとはすぐに打ち解けた。もうビール缶をかしゅっと開けた者もいる。

 

「ああ、なんか東北訛りがあるよ。イントネーションが独特だもの。」

 

一人が指摘する。綺麗な標準語。

 

なんとなく方言は個人個人のアイデンティティの一部をなす。あんまりすっきり洗練された標準語を使うのには抵抗があった。

 

だが、コミュニケーションをする上で、少なくとも郷に従わなければならないルールみたいなものがあるのも暗黙の了解としてありそうな雰囲気だった。少なくとも業務を円滑に遂行するには必要なことではあったろう。

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やがて。

 

先輩行員もちらほら帰って来始める。その都度立ち上がり、軍隊みたいな挨拶をする。

 

挨拶をにこやかに返してくる人もいれば反応の薄い人もいた。

 

夕飯を食べて、少なくとも寮の隣室の住人には挨拶と差し入れを。そう入れ知恵されていた我々はめいめいに隣室のドアをノックした。

 

私の部屋の両隣は一方はおおどうもご丁寧に、と言った感じで、もう一方は明らかに面倒くさそうな対応だった。

 

なんか仲良くなれそうにないなあ、と思った。

 

この時期は多かれ少なかれ承認欲や自意識過剰をこじらせてもいる。そして、それが満たされないと少なからずストレスを感じる。

 

なんともめんどくさい特性であるが、これを早い時期、学生時代などにクリアしてきた社会人はスムーズに社会人生活に馴染んでいくことも出来たのかもしれない。

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私はその真逆であった。

 

必要とされなければ、認められなければ、心に傷を負う。そんなガラスのような心根であった。

 

そして、自己を見つめるにしても、人を見定めるにも、いい所より欠点とか短所に目が行きやすいのも特徴だ。

 

そんなこんなで。

 

やがて、研修所に集合して同期だけで研修生活を一週間ほど送ることになり、その後正式に各支店に配属と言う流れになることになった。

 

研修は楽しかった。成績はあんまり芳しいものではなかったが。

 

最初は当座預金の担当になり、随時ATMにトラブルがあれば対応をする。そこからのスタートとなった。

 

朝は早いが、帰りはしばらくは定時上がりでいいと言う。気楽にやればいいさ。一回、内勤のとりまとめの支店のナンバー3、課長はかんらかんら笑うのだった。

 

向こうは向こうで私を値踏みしていただろうけど私も同様で、この人はいい人、この人は何となく感じの悪い人、と言うように自分の勝手な基準でレッテル貼りをしていた。

 

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もっともそこに仕事ができる出来ないなどの尺度はなく、学生目線、学生感覚が先行していた。

 

・・・と、今日はここまでにしておきます。では!/おしまい。

 

アメリッシュ様(id:funyada 

 

コメントありがとうございます!

 

手相は変わりますね。変わりやすい変わりにくいもあるみたいです。

 

>ぽんきち様(id:hamuponkichi  

 

コメントありがとうございます!

 

少しずつこつこつフォロー数を増やしていった方がいいでしょうね。あんまりやりすぎると凍結される可能性もあります。

 

>Green様(id:shiho196123   

 

コメント、ありがとうございます!

 

綺麗なますかけ線です。強運の相だとは割と最近言われ始めたもののような・・・。

 

>切株おやじ様( id:masuhiro6595  )

 

コメント、ありがとうございます!

 

仰る通りですね。どういう人間かで決まりますよね。人間性とか、意識とかそれに関連する行動様式とか。ツイッターも使いようによってはなかなか面白みがありそうです。

 

> タコスカ様(id:kefugahi   

 

コメント、ありがとうございます!

 

私もブログありきですね・・・。400字前後でぴしっと収まる名ツイートを生み出すよりかはブログの方がやりがいありそうな気がします。

 

 >モカリーナ様:(id:mocharina09  

 

コメント、ありがとうございます!

 

  おお、神秘十字線が。とてもいい手相かもしれません。私も見てもらいたいな、と思っているんですが、悪い結果だったらどうしようと二の足を踏んでたりもします。

 

>猫p様(id: nkobi1121  

 

コメント、ありがとうございます!

 

ピアノ弾きかっこいいですよね~。私も楽器が出来るならボックスで歌うより楽器を演奏しながらの方を選ぶと思います。ギターとかやってればよかったです。

 

  

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うつ病闘病記(仮称)■
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