蒲焼きと檸檬と娘のサロン

「頑張らないうつヌケ」をモットーに。だる~く、ゆる~く、時にはタイトにチートに。

君の警報機をすべてオフにする。

「この前ですね、社内でドライブレコーダーを拾得したんですね。」


「ほう。」


「聞いてみましたら、私の雄々しい部下を叱る愛のムチシャウトが録音されておりました。延々6時間余り。


いつもそうやって、生ぬるく生きてるやつに人生の厳しさを教えてやっとるんです。」


「なるほどですね。」


「私はすぐにあいつだなと直感したんです。


しかしね、そこで感情に呑まれてはいけないな、と私も少々大人になりましてね。そのまま便所へ向かいました。」


「部下を叱らなかったんですね。やれば出来るじゃないですか。で、用を足して一旦冷静になろう、と。」


「まあ…。


ただ折しも、大きい方をもよおしておりましてな。洋式の便器に腰かけると、さる変態じみた欲望が…。」


「くそみそみたいな言い回しですね。で?」


「まあ…。まさにくそみそですな。


そのドラレコに、私の排泄音を至近距離で録音しまして、リピート機能でリピートモ―ドにしときました。」


「・・・。」


「あとは、なんか妙に劣情をもよおしましてな。ゆうべのワイフとのその…譲二をイメージしまして、要は上下運動さして喘ぎ声も録音しました。」


「ふむ。」


「どうですかね?益荒男なもんで。」


「・・・いや。どうですかね、と言われましても。」


「まあ、あいつも二度とこんなくだらんマネはしないでしょうね。ざ・ま・あ・み・ろ。がはははは!」


「人事と労働基準監督署対策はお済みで?


あ―、あとは、こちら令和3年度の警察白書によりますとな。」


「・・・。なんで今、そんな話をするんです?」


「いや、なんでと言われましても・・・。


あなたがそれでいいならそれで。人生楽しんだもん勝ちですからな。」


「で。」


「で?」


「最後のシメは、


"俺の子を産め!!"


のキメゼリフですよ、がははは!」


「・・・。


・・・ほう、範馬勇次郎ですな?」


「そう!なにせ地上最強ですからね。彼にも私にも、怖いものはないってことです。」


「なるほど。たくましいですな。」


「いや~、スッキリしました。


カウンセリングを受けろ、とか上役がうるさかったもんだからしょ―がなく来ましたけどね。カウンセラ―ってのは傾聴が大事ですからな。いやあ、ご立派ご立派。


では、帰りますかね。


ここのサロンは雰囲気もいい。受付のお姉さんも綺麗!また来ます。」


「あ、またのお越しを。お疲れさまでした。」


「なにゆ~え~たたかうのか~それはあ~剣に聞け~♪(すたすた。)」


ばたん。


「・・・。」


「・・・。」


「す、すごいお客さんでしたね…。」


「あ~、今のお客さんね。」


「・・・はい?」


「波風立たない感じで出禁にしといて。」


「はい…。


う~ん、おだてたり、持ち上げたりすると絞り取れそうですけどねぇ…。」


「いいから、出禁にしといて。あと、塩もまいといてね。ボクは一服してくるから。」


「分かりました。」


/短編集:「とある上司の禁音目録」完



パチは「とある~」より「牙狼」、「牙狼」より「はいふり」の方が個人的には勝率がいいです。どうもめんつるです。


あ、そう言えば、もう一個くだらん小説をしたためてたんだった。誰も待ってないとは思いますが、しばしお待ち王。


なんか難しい世界の記事ばっかり書いてると、知恵熱を起こしそうになります。私が。


んで。


ボリボリケツをかきながら、沈み行く夕陽を見ていたのさ。


昔。はるか昔。同じような状況における我がフリを振り返る。


全裸で窓際に立ったことがある。


たぶん、誰も見ていなかったかとは思うが、頭の中では何を考えていたのかまではよく覚えていない。


右手にはくしゃくしゃの五百円札


えらい昔だなオイ。


いや別に。たぶん他意はない。我が家の二階の私の部屋の外を通過する廊下は狭く、そこに洋服の入ったカラーボックスがあったのだが、部家でやりゃあいいものを着替えを窓際でやらかしてしまっただけだ。



五百円札に関してはたぶん、なけなしの小遣いか何かだ。


たぶんたぶん、って、てめえのメモリーだろうが。


我が家のすぐ眼下には公園がある。


WC。


ちっこい女の子が出てきた。


「・・・。」


人様がいるやんけ。


そそくさと、窓際から離れたのだった。


で、なう。


勿論、今回は衣服をまとっていた。


近日中に。


全裸で5000円札を握りしめ、学習院大学の校門に立ってみようと思った。


さて、真面目な告知を。


てか、全然真面目ではなくかつ、特段告知と言うようなものでもなく。


そう改まってみると、特に何も浮かんでは来ないのだった。


無。有と無のゆらぎ。


・・・あ。


いや、特には何も。


一切を観照する意識とかに立ち返る訓練をすると、普段如何に自分がくだらないことばかり妄想したり思考してたりするかがありありと分かり、それはそれで少しだけへこむ。


私は一体、どこから来てどこへ行くのだろう。


まあ、せいぜい屁とかとさほど大差はないのではないか。


だとすれば、普段から野菜とか海藻とか食って、添加物の入ったもんとかをあんまり食わんで、自然に限りなく近い感じに近づけて、くたばるときはくたばるつもりだ。


まあ、そうそう死なないんだろうけどさ。ちんこ。


でも、ちゃんと旨いもんも飲んだり食ったりしないと人生がやや灰色がかってきてしまうので、何事も程度とバランスの問題ではある。


そんなところで続かなくなってきたんで終わる。では。/終