近未来テクノロジーに乗せる夢。
ウィ―ム…。(シャッター音)
「いらっしゃいませ~!!」
(おっ、爽やかだな。
ここのブックマートは当たりかもな。今日の断捨離で色々見繕った甲斐があったかもしれない。第一印象って大事だよな。)
「あの~、買い取りをお願いします。」
「本日はお売り頂きましてありがとうございます。こちらの番号札をお持ちになり、査定が終了するまで店内を自由にご覧になってお待ち下さい。番号をアナウンスします。」
「宜しくお願いします。」
(どれ、のんびり待つとするか…)
・・・
・・・・・・
(約一時間後…)
(な、何やってんだ?査定にこんなにかかるわけないよな?ちょ、ちょっと確認するか…。)
「ちょっと!!」
「はい、なんでしょう?」
「なんでしょうじゃないですよ!!いつまで待たせる気ですか!?」
「あ―、何番の番号札ですかね?」
「39番ですが?」
「ああ、39番さんね。どれどれ。
お売り頂いた書籍の中に、
"下着の国のアリス"
って本があったでしょう?そちらの買取査定にちょっと疑義を生じましてね。」
「は?ギギ?」
「はい、"下着の国のアリス"と言う本なんですが。」
「いちいち復唱するなよ!恥ずかしいだろ!!」
「…。こんな本を売りに来る方が恥ずかしいと思いますが。お客様。」
「・・・。あんた、ケンカ売ってんの?」
「まあいいですわ。とりあえず他の金額が確定した品についてつなぎで簡単に説明しますわ。」
「は、はあ…。」
「まず、車の雑誌とか少年ジ○ンプとかの類いですが、まあ、分かるとは思いますが値のつけようがないんで持って帰ってください。」
「・・・。」
「・・・。おたくさん、車何乗ってんの?」
「あ?なんでんなことあんたに言わなきゃいけないんだよ!?知るか!!」
「まあ、どうせダサい車乗ってんでしょ。ちなみに私はマセラティ乗ってますがね。」
「うるせえよ!!」
「その時計も…。そんな安もんじゃ、女にももてないでしょ?私はジオフィジック付けてますがね。」
「うるせえってんだよ!!いちいちマウント取ってくんなよ、気分わりいな!!」
「そんなにご立腹なさらずに…。私はただ、お客様の笑顔が見たくて最善を尽くしているのに。」
「・・・。これで笑いを取ってるつもりだったの?」
「まあいいですわ。
でね。この"くたばれジャイアンツ"なんですが…。おたくさん、どこファンなの?」
「阪神だけど?」
「困るんですよね…。うち、巨人ファンのお客さんが多いもんでね。いくらアンチ巨人でも、器の小ささ具合が窺えて…。」
「・・・。単に買い取らなきゃいいだけなんじゃないの?」
「まあ、もうちょっとだと思いますわ。お客様の相手をしてると疲れてくるんで、"下着の国のアリス"の査定の様子を見てきますわ。」
「・・・。もういいよ…。」
(一時間程前。)
「あぁんお兄ちゃん、そこじゃないよお、そこ、おしりの穴だよお。」
「・・・。店長、そのエロゲ―、ほんっと飽きないっすね。」
「おう、なんか用か?」
「ああ、この"下着の国のアリス"って本なんですがね。こっちは店長の管轄になりそうなんで、査定をお願いしに来たんスが。」
「・・・。見ねえ本だな。どれ。(カチャ。)
ぺらぺら…。
ああ、昭和のフェチ本か。よくんなもん持ってんな。ところどころページが不自然に波打ってるしな。
だが…。まあ、実用性はそれなりにはあるかも知れんな…。ふ~む…。」
「んじゃ、任せますよ。」
すたすたすた。
(で、今に至る)
「まあ、もう少しじゃないすかね。長くかかってるってことは、高値がつく可能性の裏返しかも知れません。あんまり重たく考えるとこじゃないかも知れませんよ?」
「・・・。」
「で?何か買いたい本とかCDとかはないんですか?」
「・・・。いや、特には・・・。」
「"下着の国のアリス"!!30まんえん!!!」
「・・・え!?」
「・・・ほう?」
「さ、さんじゅうまんって…。ま、マジか…。」
「あ、やっと値がついたみたいっす。大変お待たせして申し訳ありませんでした。
30円ですね。」
「・・・はあ!?今、30万円って奥から聞こえてきたんだけど!?」
「いやあ、当店の店長の前職は駄菓子屋のオヤジでしてね。前の仕事のクセが抜けねえんでしょうね。30円は30万円に、3000円は3000万円に…。」
「な、なんて店だ…。」
「ま、売るも売らないも、あとはお客様が決めることてす。どうなさいます?」
「もう、煮るなり焼くなり好きにしていいよ…。」/おしまい。
さて。
なんかその、「ウマ娘」のアニメにガチ泣きしてしまいました。アプリの方も入れてはみましたが、まだ手付かずです。
史実に忠実ながらも、シリーズ構成の秀逸なこと。とりわけ、ライスシャワ―とツインタ―ボにくっそ魂を揺さぶられました。
いい意味でしばらく立ち直れなさそうですw。
スペシャルウィ―クはなんとなく優等生なイメ―ジ、トウカイテイオ―は超一流の才能に恵まれたけど波瀾万丈なイメージでしたが、前者はちょいと予想した感じではなかったけど、後者はえらくドラマチックに魅せてきました。
全く…。リアルタイムで、競馬場でこれらの名レ―スを見た人をしばき…いや。羨まし過ぎる。動画もいいですが、はよ臨場感マシマシのVRとかで味わう時代が来ればいいなあ。
そんときは、メモリアルレ―ス、そして密林に小屋を作りゴリラを三匹飼うつもりです。
トップブリ―ダ―推奨。
ではまた。/終