蒲焼きと檸檬と娘のサロン

「頑張らないうつヌケ」をモットーに。だる~く、ゆる~く、時にはタイトにチートに。

渡る世間に鬼はいない。

これは、「鬼滅の刃」の鬼が討伐されたのちの、どうもさる世界線らしい。

 

そうとしか言えないが、とりあえず我妻善逸は竈炭治郞の実妹禰豆子を娶り、彼ら"鬼殺隊"により実現されもたらされた、泰平の世をワリとなにやら浮かれた、いいカンジのノリで生きていた。

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今日は鬼の始祖である鬼舞辻無惨を、討ち取った瞬間を目撃したさる者たちにより、時代の脚光を浴びることになった"鬼殺隊"…の後進の会社組織。

 

まだネ―ミングがあやふやなカンジの営利団体の役員っぽいことをやってる、時の人竈炭治郞。(くどいッ!)

 

そして、今は何をやっているのかはよく分からないのだが、文を書いたら"すぐ行くぜ!"と野太い感じの返事をくれた嘴平伊之助。

 

善逸は鼻の穴全開で、お団子でも食いにいこうぜ!などと言う話を持ちかけていたのであった。

 

そのうららかなさる日曜日。

 

時はまだ大正・・・。

 

善逸:「♪近頃~わ~たした~ちは~ いい~ニオイ~ ぐへへ。(1)

 

あ、伊之助は来てるみたいだな。炭治郞は…まだ、かな。

 

お~い、伊之助~!!」

 

タッタッタ…

 

「伊之助!久しぶりだなあ!!元気そうで何よりだ!」

 

「森羅万象森羅万象森羅万象森羅万象!!」

 

「い…のすけ?」

 

「いかにも!拙僧、伊之助でおじゃる!猪のカブリ物がたま~に臭うなる喃(のう)、常考。」

 

「いやその…。まあいいや。お前のその"猪突猛進!"が"森羅万象!"になってるとことか、口調がそもそもナニ系なのかがカオスなカンジとか臭くなる前に脱げばいいだろ!的な、カオスなツッコミ所はあるにゃああるけどさ。

 

あ、俺善逸な?一応な??

 

"常考"ってアレだよね?"シ○ュタゲ"?」

 

「???。鬼がいなくなった今の世に、何に猪突猛進すりゃあいいんだよ?

 

訳の分からねえこと言ってると不自然な動きで近付くぜ?」

 

「くれぐれもやめてくれ。

 

それとな伊之助?俺に聞くなよそんなこと。そりゃあ自分の頭で考えるとこだろ。

まあ、なんかかんか前の伊之助っぽくなったのはいいや。とりあえず安心はした。

鬼とかくっそ怖かったあん時とはまた、別の不条理系見てるカンジの気味悪さはあったからさ。

まあ、お前が何かタンポポ持ってて、わらしべ長者っぽくなってるのも、まあ芸風みたいなもんとして生暖かかくここで見てるわ。」

 

「でもな、一応坊主にはなったんだよ俺。ほれ?あ、あと、タンポポはおめえの頭もだからな、善逸。」

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「髪剃ってないとかおま、どんだけだよ!?何が坊主だ!!」

 

「だって、女の子みたいなオレ的イケてるとこは、なんつ―か母親譲りだからよ。それにしても炭治郎おっせえな。」

 

「う~ん…。まあ分かるにゃあ分かるけどさ、お前がそんなにいい感じの美形を維持してると、いくら煩悩を捨てた僧侶だってオカマ掘りたくなるよ―な気が…。ああ、炭治郎おっせえよな。カナヲちゃんといちゃラブしてんのかなあ…。」

 

「いちゃラブ…。まあ、いいけどよ。でもあいつ、今柱だからなあ…。あいつなりの思い入れも強いし、天職みてえなもんだろ?

 

忙しくて来れねぇってことは普通にありうる。カラス飛ばしゃあいいだろ、的なとこはあっけどよ。それすりゃ追い付かねえのかもしれねぇ。」

 

「まあな。今は"鬼殺隊"は名乗ってるけど、普通のいい感じの大会社だからなあ。上も下も何となくあいまいな、"ふらっと"ってやつ?なんにせよ自由っぽいよね。

 

あいつ、そう言う権力構造みたいなのがそもそも好きじゃないだろうし、甘ちゃんっちゃあ甘ちゃんなのかもしれないけどさ。

 

トップの産屋敷家の一族も今じゃあ、そんなに短命でもないし相変わらずのハ―トフルほのぼの全開だろう。前は時代があまりにも殺伐としてたから今は真逆だよね。

 

そうやって上とか下とかがボヤけても、なんだかんだで丸く治まってるのがやっぱり、あいつの叶えたかった夢そのものだと思う。」

 

「ああ、口出しするようなもんでもねぇ。あいつらしいわ。まあ、オレらはオレらで、くっちゃべって待ってるべ。」

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数分後…

 

「お~い!!」

 

「炭治郎だ!」

 

「ご、ごめん、遅くなった!う、う~ん…な、何かおごるよ!」

 

「いいよ炭治郎。気遣うような仲でもないだろ?なんつ―か、ほんっと真面目なやつだなあ。」

 

「炭治郎!いつ以来だっけな?」

 

「う、う~ん?でも、文通もずいぶんお互いしてたから、なんかそこらへんは曖昧かも。」

 

「あ、この前鱗滝さんが来たよ。いっぱいおみやげ持ってきてくれてさ。

 

なんか会社名が有名になりすぎた負のなんちゃらで、あて字で"奇冊台"にしようか、みたいなキテレツな会議をやっとるよ、とか言ってた。

 

あの時代だから優しくも厳しい人だったかとは思うけど、思ったよりずっとお茶目なとこもあるよね。」

 

「でしょ?

 

今はうちの相談役、みたいなカンジだけど、あちこち歩いて講演したり、後進の指導をしたり各地のみなし子たちのお世話をかって出たりしてるね。」

 

「すげえよな鱗滝さん。でも、やっぱりあのお面は取らないよな。トレ―ドマークだからなんだろ?」

 

「みたいだね。ポリシーだとも言ってるね。」

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「・・・。じいちゃんも、生きてればあんなカンジで自由にあちこち行ったりしてただろうなあ…。じいちゃん…、獪岳…。」

 

「・・・。」

 

「おいおいおい!?善逸!

 

気持ちは分かるけどよ、あの時代オレたちにたくさんの大事なものを託して亡くなっていった先人のためにも、おれらは幸せになって、その幸せを他の人にも、だろ?

 

ま、まあ、たまにゃあ、そりゃしょうがねえけどよ。」

 

「う、うん、分かるよ。メソメソしてたらじいちゃんに喝を入れられるからね。切り替える。

 

炭治郎!それはそうとこいつ、さっきからヘンなんだよ。見てると面白いと言うか、見てはいけないものを見てると言うか…。ほら、またなんかやってる。」

 

「え?伊之助?…。・・・なんか、既にして自分の世界に入ってるね。」

 

「・・・」

 

し~ん…。

 

・・・

 

・・・・・・

 

「う~む、さとった。」

 

「ほらな?」

 

「バカヤロ―善逸。"さとり"はな、お坊さんの夢なんだせ?そんでな、その前に"宇宙にお―だ―"するんだ。」

 

「・・・え?」

 

「それでな、波動を上げる。」

 

「波動…。」

 

「そして、ワクワクした感情を維持して、いつもワクワク、ワクワクする。やってみろ!」

 

「い、いや、やってみろって言われても…。もうずいぶん前からついていけてね―からなオレたち?な、なあ、炭治郎。」

 

「う、う~ん…。」

 

「そして、完了形で"さとった!"

 

これでお―だ―は通るんだ。」

 

「・・・。」

 

「な、なあ伊之助?お前、何かにカブれてねえか?だ、大丈夫か?」

 

「何がだよ?大阿闍梨様が言ってたんだぜ!?オレを担ぐ気かよ善逸この野郎!!」

 

「いや、いやいやいや!そ、それヤベえような気がするよ!童磨の"極楽教"みたいな何かだ!やべえよ伊之助!!なんかヤベえ宗教かもしれん!わ、悪いことは…。」

 

「いや?大阿闍梨様はこ―ゆ―話をしたあとはきまってこう言うんだぜ?伊之助、これは冗句だ、って。」

 

「伊之助あのな。冗句(ジョ―ク)って、どんなイミか分かるか?ま、まあ、こいつくらいまっすぐで純粋なやつだと、あるイミからかいがいがあるのかなあ…。大阿闍梨様って、お寺の一番えらいひとだろ?

 

さっきからの伊之助のおかしなノリはおおむねそのせいだったのか…。」

 

「オレは伊之助は可愛がられているんだと思うよ。

 

それにあながち、"宇宙にお―だ―"は否定するようなものでもないんだってさ。

 

人の数だけ幸せのイミも定義も違う訳だしさ。

 

まあ、あとはここでする話じゃあないけど、夢もキボウもないようなものじゃ、全然ないんだと思うよ。」

 

「…え?そう言うものなの?」

 

「うん、よく分からないんだけどね。"からくりさ○かす"のふぇいすれす司令(2)みたいな人もいるんだろうし、やはり人それぞれだ。」

 

「…。オレは、"うしおととら"しか分かんね。(ほじほじ)」

 

「うん、オレも。"ぶ○くおふ"とかで売ってるんじゃないかな?」

 

…ああ、なんか時代に合わせていちいちひらがな表記にすんのめんどくせ。めんどくせ―から止めますね?(3)

 

「・・・ん?誰か、何か言った?」

 

「いや?別に?」

 

「風のささやき、かなあ?」

 

「ぽえみぃだねえ炭治郎。さては、カナヲちゃんとの結婚生活もいいカンジなくちだね?旦那。」

 

…生まれてきてすいません。

 

「???」

 

「伊之助?お前もか?」

 

「ああ、なんか聞こえてきた。なんつ―か、頭の中に直によ。うう、なんか生理的に気持ちわりい!」

 

「…。じゃあいいや。オレだけ聞こえないのも別に。」

 

…暴かれた急所。

 

「・・・う!?うわああああああ!オ、オレも聞こえちゃった!!なに!?なになになに今の声キモッ!す、すみませんすみません、この前の晩禰豆子ちゃ、いや禰豆子とつい興が乗りすぎてつい急所を…いや?いやいやいや!!?」

 

「今のだけは何故か三人とも聞こえたみたいだね。」

 

「なんでオレのだけみんなに聞こえるんだよ!?悪意にまみれてね!??おおおおお鬼!?鬼、まだいんの!?」

 

「・・・。善逸うるせえ。」

 

「いいよ善逸。善逸と禰豆子はもう夫婦(めおと)、だろ?」

 

「た、炭治郎、お前ってやつはどこまで心が広くて清いんだ…。」

 

「ああ。後光がさしてる。ありがたや。

 

んで善逸!おめえはただただ、変わらねえ!相変わらずだ、としか言えねえ!

煩悩まみれのヨゴレとして祓ってやる!オレの子分に何したのか知らね―けど!」

 

「伊之助?お前は何か職業とか立場とかが混乱したり逆転しまくってるからな?

つ、つか、した、と言うか、されたと言うか…いや!?いやいやいゆべし!」

 

「・・・」

 

「勝手に自白して勝手に自滅していくタイプだよな。自作自演っつ―かよ。よく舌噛むしな。見てておもしれえのはお互い様だ。」

 

「・・・、み、水・・・。水をくれ・・・。禰豆子、ごめんよお…。なんか、オレが悪かった。ぐへ。」

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「仲良くやってるようで良かった。俺たちもう身内、だからなあ。

 

初対面の時はまさか、こんな間柄になるなんて未来、全然予想すらしえなかった。禰豆子を人間に戻すことで頭がいっぱいだったし…。

 

なんか、感慨深いよ。」

 

「オレは想像出来てたけどよ。なんたって、さとってたからな!

 

どれ。腹減ったよ。団子食うんだろ?善逸。」

 

「あ、ああ。平和っていいなあ。いやホント。んで、さっきの訳分からない声、なんだったんだろうな。」



「さ、さあ?」

 

「ま、いいか。もう聞こえなくなったし、ヘンな気配もなくなったぜ。さ、行こうぜ!」

 

お団子を求め田舎道を歩いていく三人。

 

まああれです、「団子三兄弟」と言う歌が昔ありましたが、団子食いてえ。

 

私はずんだかごまが好きです。(聞いてねえよ。)

 

さて、「鬼滅の刃」の吾峠先生。

 

女性で、天然さんのようです。

 

何となくだけど、第1巻あたりの扉絵のみならず、画風が少し同人っぽさがあるのよね。

 

もともとはワリとこじんまりと、学校なんかでもこつこつ絵やマンガを描いておられたのではないだろうか。

 

どちらかと言うと内向的で地味なカンジで、そしてうん、天然さん。

 

んで、商業どうのに関しても、サ―クルとかで小規模にやってらっしゃったんだけど、親御さんの説得もあり、いきなり一念発起してジャンプとかに文字通りジャンプしちゃった。

 

すごい決断力と大胆さ。

 

こ―言う時は、女性の方が強いと思うのだ。究極的には「母は強し。」となろう。お産の苦しみは野郎がキャンタマ蹴られたくらいのものとはたぶん比較にならなそうだし…。

 

あ、話が逸れました。

 

最初何作かは芽が出なかったけど、背水の陣で頑張り続けて、えらいことになってしまった。

 

あくまでそこらへんは憶測なんだけど、集○社って鬼畜だからなあ…。

 

「鬼滅」が大当たりしたのはまあ、編集サイドの優秀さもあるんだけど、勿論本人の努力によるところがでかい。

 

話の長さ的にはちょうど良かったのではないだろうか。

 

ヘンな話、印税収入だけでもしばらく遊んで暮らせるだろう。

 

仕事中毒だとすればアレだが、まずはしっかり自身や御家族を労い大事にしてほしい。

 

生き死にの瀬戸際で力が開花するのは「鬼滅」の真骨頂でまあ、紛れもない事実なのだが、だからこそなおのこと、である。

 

この先生御自身が、日々その境地を体現されていたのではないだろうか。

 

あとはのんびり楽しみながら作品を描くにせよそうじゃないにせよ、この先生ならすっごい作品をまた産み出してくれることだろう。

 

終わったのはずいぶん前のことになるが、吾峠先生、本当にお疲れ様です。

 

では!

 

(注)

 

1.懐メロであるPUFFYの曲。曲名はど忘れしました。(ぐぐれっての。)

 

善逸が気持ち悪くアレンジを咥えて、いや加えている。

 

奥田民生さん作曲だったかな。才能の塊のようなお方。

 

2.「からくりサ―カス」のラスボス。それしか知らない。

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名作「うしおととら」の藤田和日郞先生のヒット作。この人もまた、才能の塊にして重鎮。

 

3.そもそも、最初はカタカナで書いてて後であ、時代にそぐわね―わ、とか思ったのだが、推敲するのがかったるくもなったと言う。

 

4.竈炭治郞のキャラが薄いですが、気のせいだと思います。