蒲焼きと檸檬と娘のサロン

「頑張らないうつヌケ」をモットーに。だる~く、ゆる~く、時にはタイトにチートに。

人生いろいろ。おのこもいろいろ。①

意図してかせずか、なんだかお堅い内容の記事を続けてしまったので、ここで誰得の昔話をする。

 

高校時代の話だ。

 

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私は市内の、小高い丘の上の進学校に進んだ。と言っても典型的な自称進学校と言うやつで、校則は厳しくカリキュラムはびっしり三年次の最後の最後まで組まれている。

 

教える先生が定年間近の爺ちゃん先生ばっかりだったこともある。受験指導が熱心なのかそうでないのかよく分からない所があった。

 

私も、入学した当初は母校の大学に進もうと張り切って勉強していた。成績は入った当初こそ上位だったのである。だが二年次。成績は急降下していく。それにはワケがある。

 

山の上には自転車でえっちらおっちら汗をぷっ垂らして登って登校する。私の実家は貧乏で、またバイトも校則で禁止されていたから母のおさがり(?)のママチャリで登校していた。

 

周りは自転車を入学時新調した者も多く、マウンテンバイクや自転車競技などで活躍していそうなエモいチャリで登校している。私のママチャリはいつしか南極Z号などと異名を取るようになってしまった。

 

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体力は結構ついた。部活はワンダーフォーゲル部に入部。山岳部だ。これが毎月山行がある。山が好き、と言うなんともピュアな動機で入部したのだ。中学校の時は剣道部だ。そこそこ体力には自信があった。

 

練習は厳しく、家に帰ってもろくに勉強などできない。毎日の走り込み。うさぎ飛び。重いコンダラーみたいな。上下関係は厳しく、先輩の言うことは絶対。う~ん、ブラック体質の萌芽とはこう言う所にも芽吹いている。

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よく若い人には同じ苦労をさせないと気が済まないという老〇の方がいるじゃないですか。少なからず体育会系の部活にはそう言うとこがある。

 

ともあれ一年間は続いた。意外に厳しい上下関係に対する免疫みたいなものはついたのは収穫だった。純粋に山が好き。山があるから登る。そこに理由は要らない。

 

それはそうなのだが、一回の山行につき2万はぶっ飛ぶ。お金のことはシビアだ。私はおかんに言うた。

 

「オレもランボルギーニ買うの諦めるから、おかんもぷにぷにオレンジようかん食べるのやめなさい。」

 

バイトは前述のように禁止されていたから収入減はカツアゲとFX。

 

・・・いや、ここらへんは勿論ウソだが。

 

私はうなだれた。

 

退部届を出すとき、顧問の先生は多くを語らなかった。鹿のような曇りのないまなざしをこちらに向け、「ご苦労だったな。勉強頑張れよ。」とだけ言ってくれたのだった。

 

鹿。私は勉強ではなく猪鹿蝶に没頭することになっていく。花札。麻雀。酒。タバコ。女。当時の悪友と仲良くなってしまった。麻雀って4人でやる知的スポーツである。

 

最初はメンツ集めと言う理由でツラを貸した。彼の溜まり場へ行き愕然とする。中学校時代同級生だった他校の生徒も入り交じり、昼間からウイスキーをがぶ飲みしている。タバコの煙で部屋がもうもうとしている。

 

う~ん、これは・・・。

 

思春期の不安定な時期は己をたやすく見失い、容易に悪に染まり誘惑に負ける。悪ぶることをかっこいいなどと錯覚してしまう。私の理性と良心のタガが外れるのもそんなに時間がかからなかった。教師を欺き、親を欺き、世間を欺きあざ笑う。そんなことで愉悦と優越感に浸る。

 

う~ん、炎上バイト君なんかと同じ穴の貉と言うヤツかもしれない。そしてマジメに頑張っている人をダサいなどと馬鹿にしたりする。救いようがないとはこのことだ。彼女は紹介され出来たけどそれがなんだと言うのだろう。当時の自分をぶっ飛ばしたい気分だw。

 

朱に交わればしゅらしゅしゅしゅ~、てな感じで、毎日学校へ・・・行くこともあったが、午前中でバっくれて溜まり場へ南極Z号で降り、タバコを吸いゲームをぴこぴこ。夜、こっそり家に帰る。さすがにまだ親は怖いw。

 

勿論こんなことを親が黙認するはずもなく気づいてないはずもなかった。成績もだだ下がりだったし。

 

やがて刻は来る。

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溜まり場で酒を呑み、彼女とイチャイチャしながらロ~ン!倍満~!などとやっていた頃。玄関でものすごい怒鳴り声がする。誰かと誰かが押し問答しているようであった。その主の一方がどうも、親父の声に似ている。

 

構わずその声をかき消すように、牌をじゃらじゃら鳴らしかき混ぜる。すると。

 

親父が背後に木刀を携えて仁王立ちしていた。

 

「ひいッ!?」

 

みんな固まっている。手が止まり、一様に親父を見上げて場が静まり返った。

 

親父は木刀を振り落とした。肩を打つ。

 

「いってええ!!」

 

鈍い痛みが走る。いや、それで殴ったらヤバいでしょw。肩肉のあたりだったけど痛みで意識がとびそうになる。

 

親父は私の襟首を後ろから掴み、軒下に私をぶん投げる。そして。私に馬乗りになり、何度もグーで殴ってきた。

 

みんな何も言えず、動けず一部始終を見守っている。親父の怒号が響く。私は反抗するでもなく、跳ねのけるでもなく、自分がしてきたことの苦い後悔に苛まれ始めていた。

 

結局、たまり場の主の親御さんが後ろから押さえて制止してくれたようだが、親父はゼイゼイ言いながら、私を猫を後ろから摘み上げるみたいに引っ張り上げ、ずるずる引きずり出した。私は無抵抗だった。

 

なので思う。

 

今の教育現場って大変だよなあ・・・。学級崩壊してるクラスも多かろう。自分の小中学校時代なんかは体罰が茶飯事で、親も子供のためにそこまでやっちゃってください、びしびし!なんて感じだったのだ。それが今は親はモンスター化するわ、子供はつけあがるわでもうどう収拾したものやら・・・。まあ、子供はよくよく心を通じ合わせると分かってくれるところはあるんですけどね。

 

「聖職」と呼ばれる仕事。医師・看護師・教員。待遇は世間からしたら確かに高待遇かもしれないが、勿論それはそれだけの責任の重さと過重労働が背景にあるからだ。

 

教員になられる方は真面目な人が多いから、教師を天職として位置づけ、情熱を持って現場に入り、子供たちと全力で向き合うだろう。だが、とにっかく一人当たりの事務量が多すぎる。まあ、私の兄夫婦が小学校の教員だから分かるんですけどね。

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ともあれ。

 

親父はなんかすっきりしたのか、家に自分を連れ帰ってからは特に何も言わなかった。もう分かるな?って感じで後は私に判断をゆだねていたのだと思う。だが、このことが語り草になり、我が家の親父は893と同じくらい怖いと言う伝説が高校に知れ渡ることになる。

 

はてさて。

 

結構このことがあって心を入れ替えた。母親を泣かせてしまった、と言うことも心に大きな負い目を作った。

 

同時に勉強が面白くもなり出した。勉強の面白さや奥深さは人に気づかせてもらったところも大きい。誰かと言うと、難関大を志望する同級生たちだった。背伸びして悪ぶっていた私を遠ざけるでも拒むでもなく、彼らは私を暖かく迎え入れてくれた。

 

「まあ、色々あるよな、わ~っはっは!」

 

彼らの一人は豪快に笑った。/(続く)

 

 >アメリッシュ様(id:funyada 

 

コメントありがとうございます!私も注文しました!今度は百田先生にサイン、もらいます。

 

>切株おやじ様(id: masuhiro6595)

 

コメント、ありがとうございます!猫5匹とカメ一匹・・・なんとうらやましい・・・。もう幸せをシェアし合う感じですよね。

 

>ちゃんこ様(id:chanko_bamboo 

 

コメントありがとうございます!子供の時から中学後半くらいまでやってました。自然に親しみ、好奇心先行で野鳥観察できます。楽しかったですね~。私も麺は固麺派です。

 

モカリーナ様:(id:mocharina09  

 

コメント、ありがとうございます!

 

アドラーは「GIVE&GIVE」って言っていますね。見返りを求めず人の為に行動し始めてから、自分のメンタル疾患も良くなっていった気がします。 

 

 >MAIKALFUJIO様(d:MAIKALFUJIO  

 

コメント、ありがとうございます!

 

おおなんと!お父様直接関わられたのですね!気合い・体力・大和魂。日本人の気概はこう言うところで発揮されるんですね~。素晴らしいです。

 

 

 

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